別れ

我が家には野良猫がたくさんいました。

結婚して数年の間でその猫たちも山に行ったっきり帰ってこなくなり気づけば1匹に。
産まれてから痙攣していた仔猫を一時室内で保護し、
元気になってからはみんなと同じよう色々遊びまわってほしいと外に出したのがいけなかったのかもしれませんが、大事に大事に、一番可愛がっていた子が去年の12月突然姿を消しました。
雄猫だし雌猫を求めて数日姿を消すなんてことはしょっちゅうありましたが、2週間もご飯を食べにこなくなることなんて絶対にありませんでした。山に入ってたぬきにやられたかなぁ・・・と心配ながらも結婚式があり1泊家をあけることに。
今でも鮮明に覚えているのですが、夜帰宅するとすごい風でした。みぞれなのか雨も降っていて、娘が車から降りるときに車内で遊んでいた風船が山の方にパーッと飛んで行ったのです。それを拾いに走り私たちが帰宅すると必ずきてくれる猫も相変わらず姿をみせず、風にかき消されながらも大きな声で名前を呼び、その日は疲れていたのでそのまま家に入りました。もしかしたらすごい風の中近くまできていたのかもしれません。
翌朝夫と娘が捜索に出かけたのですが、1時間ぐらいすると部屋にいた私のところに泣いて戻ってきた娘。どうしたのか尋ねると死んでる・・・と。
嘘だと思い案内されるところまで急いでいくと、家のほんと目の前の畑の畝に顔をうずめるように眠っていました。その体はかちかちになっていて触るまではとても綺麗で眠っているようにしか見えませんでした。
猫は隠れて死ぬと聞いていたけど、きっと昨晩の私たちの声が風を伝って聞こえて一生懸命帰ってきてくれてそこで力尽きたのかもしれません。風船を拾ったすぐ側で亡くなっていたので、あの風船がもしかしたらSOSだったんじゃないかとそう考えると、なんであの時灯りを照らしてでも周りをちゃんと見なかったんだろう、助けを求めていたのかもしれないと、後悔しても遅いけど涙が止まらなくなり、娘と二人大声を出して泣きました。
それからしばらくは立ち直れず写真を見れば娘と二人で涙を流していました。
家にいた犬も今年に入って亡くなりました。我が家には今動物はいません。
ようやく立ち直りはじめ娘が犬や猫が欲しいと言うけど、またあの悲しみを経験するのかと思うと前に進めません。
また会いたいよ・・・ギン・・・。

                                         
T・♡

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